二足歩行と食糧

200万年前人類の始まり

400万年前 12月31日17時37分ごろ私たちのご先祖様である猿人、アウストラロピテクスは二足歩行を身につけていました。しかし生活の場は木の上です。主食である果実が豊富だったからです。しかしアフリカの乾燥化で熱帯雨林が減り私たちのご先祖様は住む場所も食糧も奪われ絶滅の危機に見舞われました。さあどうする!

全く違う2種類の人類が登場!

200万年前 12月31日21時48分ごろ

(日付は地球誕生から現在までの年齢46億年を1年に換算した目安です)

アフリカの乾燥化はさらに進み一年中雨が降っていた熱帯雨林は消えサバンナ気候という一年の間で雨季と乾季がはっきりと分かれるようになりました。そんな時代に全く違う2種類の人類が登場。

2種類の人類を詳しく見る

南アフリカ、ノースウエスト州で同じ場所から2種類の化石が発見されました。つまり2つの人類がこの時代に共存していたのです。ホモ・エルガステルとパラントロプス・ロブストスの二人です。

ホモ・エルガステル

生息年代は190〜140万年前。身長170cm。食糧を探し求めて長い距離を歩いたために30cmも背が高くなりスラリとした体型が特徴です。

パラントロプス・ロブストス

生息年代は200〜250万年前らしい。身長120cm。頭の上に突起があり顔の筋肉を支えていました。この筋肉は発達していて硬い木の根を食べていたと考えられています。そのことが体型や丸いお顔につながったのだとか。

200万年前人類の始まり

ホモ・エルガステルとパラントロプス・ロブストス

出典 NHK地球大進化

二足歩行で食糧を探した、その結果

雨季と乾季。乾季は草原は枯れ種や根に姿を変えるために赤茶けた大地となるのです。そんな大地を私たちのご先祖様は食べ物を探し歩きました。危険なサーベルタイガーなどの猛獣の影に怯えながら直立二足歩行で。

直立二足歩行の長所を詳しく見る

直立二足歩行で私たちのご先祖様はぐっと進化しました

4足歩行の動物と比較してヒトの直立二足歩行にはこれだけの長所があります。

頭部が直立した胴体の直上に位置することにより、その体躯に比して巨大な頭部を支えることが可能になった。ヒトの体重に比しての頭部の重量は、全動物中でも最も大きく体重に比して巨大な脳容積を得ることができ高い知能につながった。

前脚=腕が歩行から解放されたことにより、重量物の持ち運びが容易になった。さらに手を使って遠くに物を投げる(投擲とうてき)という他の動物にはない能力を得ました。

肉を食べたご先祖様と植物を食べたご先祖様

私たちのご先祖様は、熱帯雨林時代の主食だった果実に変わる食糧を探して、猛獣が潜む乾燥したサバンナに進出していきました。命がけですよね。そして私たちのご先祖様は肉食と植物を食べる2つの人類が誕生し共存したのです。ホモ・エルガステルとパラントロプス・ロブストスの2つの人類です。

草食と肉食。詳しく見る

肉食のホモ・エルガステル

主に肉食動物が食べ残した死骸の肉や骨の中にある髄を食べていたそうです。なぜなら私たちのご先祖様はまだ狩をするなどの知能も体力も未発達なために、猛獣の食べ残しを探して食べていたのです。

食べ残しはそう簡単には見つからないでしょう。だから食糧を探し求めて長い距離を歩き回ったために30cmも背が高くなりスラリとした体型となったのです。つまり食糧事情は不安定だったのです。

植物を食べるパラントロプス・ロブストス

発掘された頭蓋骨には頭の上に突起があり、この突起は顔の筋肉を支え、硬い木の根を食べていたと考えられています。そのために噛む力が発達し私たちの3倍は強かったと考えられているそうです。

木の根を掘り起こして食糧を得る方法は乾燥した大地では誰もやってなかったそうで安定して食糧を得る事が出来たそうです。

運命は残酷、絶滅したご先祖様

2つの人類が共存。肉食と植物を食べる人種。運命は残酷です。片方は絶滅し、片方はその後大いに進化していくのです。

運命は残酷、絶滅したご先祖様を詳しく見る

命は残酷。6,350万年続いた楽園の終わり?

200万年前 12月31日21時48分ごろ

今思えば私たちのご先祖様は恐竜が全盛期だった6,550万年前(12月26日20時17分ごろ)までは恐竜に見つからないようにこそこそと逃げ回る生活をしていました。しかし巨大隕石が落下し恐竜は絶滅、その後に登場した恐鳥ディアトリマなどに追われたりもしましたが、紅葉樹の発達で木の上で豊富な木の実を食べて生活するという衣食住のうち食と住を獲得したのです。

3,300万年前(12月29日10時50分ごろ)南極大陸が誕生し地球は寒冷化に入って行きますが、それでも私たちのご先祖様は木の上で幸せに暮らしていました(と思う)

2500万年前ごろには最古の類人猿(ヒトに似た形態を持つ大型と中型の霊長類を指す通称名)と思われる化石が発見されていますから1千万年単位で少しづつ進化していったのでしょう。

そして1,000万年前。ヒマラヤの造山活動は活発になって高い山脈が誕生、ヒマラヤ山脈に雲がぶつかってアフリカは乾燥化が始まります。そして熱帯雨林という私たちの楽園は急速に縮小していったのです。

二足歩行の予行練習

木の実が少なくなってきた。だからときどき地上に降りて食べ物を探して歩き回っていたのかも知れません。猿人アウストラロピテクス(400万年前 12月31日17時37分ごろ)は時々地上を直立二足歩行で歩いて、でも生活は木の上だったそうです。歴史的な二足歩行の予行練習とも言えますね。

そして運命?の200万年前 12月31日21時48分ごろ。

私たちのご先祖様は6,350万年続いた木の上での生活を捨て(と思う)サーベルタイガーなどの猛獣が潜む草原へと進出していったのです。食糧を求めて。その先の運命はあまりにも残酷です。

肉食のホモ・エルガステル

猛獣の食べ残しを探し求めて食糧を探し求め食糧事情は不安定だった肉食のホモ・エルガステルは、後に私たちのご先祖様につながります。つまり生き延びたのです。

植物を食べるパラントロプス・ロブストス

木の根を掘り起こして食糧を得る、安定して食糧を得る事が出来たパラントロプス・ロブストスは哀れ100万年後に絶滅してしまいます。その理由はまだ不明だそうです。

パラントロプス・ロブストス

なぜ安定した食糧を得ていたパラントロプス・ロブストスは絶滅したのか?

人間の脳が巨大化した理由はまだ不明だそうですが、肉食で脳が発達したと考えられています。

肉食と脳の発達を詳しく見る

肉食のホモ・エルガステルは肉という高カロリーを食べた。そして不安定な食べ残しの肉を探すだけでなく狩を行うようになって工夫をし始めたことが脳の巨大化につながったと考えられています。

  • 初期の人類でもある猿人アウストラロピテクス(400万年前 12月31日17時37分ごろ)の脳はチンパンジーと変わらぬ500ml程度。
  • 肉食を始めたホモ・エルガステルの脳は900mlまで脳が拡大していた。
  • 木の根を食べて安定した食糧事情だったが絶滅したパラントロプス・ロブストスの脳は500mlのままでした。

そしてその後もアフリカでは様々な人類が登場したそうです。そのたびに脳は大きくなっていきにホモ・エルガステルのあとに登場したホモ・エレクトスでは1,000mlの大台に乗ったそうです。ちなみに現代の私たちの脳は1400~1500ml体重の2%くらいです。