サハラマラソン4日目〜5 オーバーナイト80km

いよいよオーバーナイト80km。

真っ暗闇の砂丘で独り迷子になった。これはさすがに心が折れた。パニックになったぞ。

人生初の80km オーバーナイト。コースマップも3枚綴りだ。CP1を出て鬼のような山越え。CP2 CP3まで行ったらこのあたりから夜になる。
多くの選手は時間的にゆとりがあるのかCP4で仮眠を含めた長めの休憩をとるみたいです。でも僕は鬼暑い日中を避けて夜〜朝に距離を稼ぎ、翌日の太陽がかんかん照りになる前にはゴールしたかったです。

サハラマラソン

 

サハラマラソン

CP3ですでに夜に突入。

サハラマラソン

CP5の手前くらいから夜が明けてきたと記憶してます。で、この辺から幻覚が見え始めたよ。やばくないかこれ。
それにしてもCP4〜CP5〜CP6とず〜〜〜〜〜〜っと同じような景色でマジで参った。そんでひっくり返った。
さらに長かったのがCP6を超えてしばらく行ってからのだだっ広い砂漠エリア。地平線のふもとにゴールがあるらしいが、これがなかなか辿り着かないのよね。参った。

サハラマラソン

サハラマラソン

80kmオーバーナイトスタート

80kmも、夜中を歩くのも人生初。スタートのときの僕の顔。目がおかしい。

CP1までは単調な砂漠地帯、楽勝だぜ。
CP1についたら目の前に高い山がそびえている。あれを超えるのかあ。

サハラマラソン

ひたすら登る。黙々と登る。

骨盤力とサハラ砂漠マラソン

ザイルを頼りに登る。それにしても目がいってる。

サハラマラソン

やっと頂上。山頂からの眺めすごい世界だ。目がいってるかも

食事が一番つらい

食事は相変わらずダメ、受け付けないですが、果汁グミ(リタイアした選手からもらったのだ、本当はもらうと失格なんだけど)が口の中で広がる果汁が美味しかった。
そこでカロリーメイトを半分食べれたらご褒美で果汁グミを一個食べるという作戦に出た。
サハラマラソンの中でこの「無理やり食事」が一番辛かった。この辛さに比べたら足のマメの痛みなど可愛いものだった。
CP2にて、日陰は占領されて無いし。

サハラマラソン

オアシスがあった。水も湧き出てた。不思議。

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こんなところにホテルがある。

帰国して調べてみららすごい素敵なホテルだった。ここです>>>   フェイスブックもやってるぞ>>>
このホテルを通過した直後に、夜の砂丘で独り迷子になったのだ。一度ゆっくりとこのホテルに泊まりに行ってみたいぞ。

サハラマラソン

 

CP3の夕刻

ほとんどの選手は次のCP4で長く休憩するみたいです。僕は日中の暑さを避けるため、夜中は距離を稼ぐ作戦。なのでここでゆっくりと休み仮眠もとる作戦です。
食事は相変わらず喉を通りませんがとにかく食べなければと、カップヌードルを作って時間をかけて食べる。そして仮眠をとった。そして目が覚めたら
ガビ〜〜〜ン!
選手が4人しかいない!(フランス人2名と日本人2名) CP3もスタッフが撤収作業してるし。つまり寝すぎた!
大慌てで荷物をまとめるうちに日本人2名はさっさと出発してしまった。薄情すぎる。これも身から出たサビか! 写真のように辺りは真っ暗。今思えば良く写真を撮る余裕があったなと思うが、とにかく先に出た日本人を追いかけた。ところがこれがまずかった。

サハラマラソン

道を間違えてしまった。

夜の砂丘で誰もいない・・・さてどうするか?
山で遭難したら高いところに登るが鉄則。砂丘のてっぺんに登った。選手は身体にライトを2つつけているので選手千人分のライト(2,000個のライト)の列が見えるはず。ところが360度見渡しても光が無い!

パニック

夜の砂丘でまさかの迷子 光のない世界でひとりぼっちの恐怖を味わう。
どうしよう、どうしよう! 無我夢中で来た方向を戻るも、砂漠は方向感覚が狂うし、なんども転んだ。落ち着け、冷静になれと何度も言い聞かせ、地図とコンパスを確認するも光が何も無い! 終わったと思った。
帰国してGPSデータを頼りに迷子の時のルートを見てみました。距離にして500mほどのロスでしたがそれは結果論。

サハラマラソン

光が無い世界。開き直って写真を撮ってみた。なるようになる。

サハラマラソン

なるようになる。

日本を出るときに一冊の本を読んだ。「心配事の9割は起こらない」という本で、サハラマラソンに参加するためにフランスに行く時も同じ事が起こった。
羽田空港で搭乗10分前になって、行き先を間違ってチケット買った事に気がついた。
僕が行きたいのはフランスオルリー空港 しかし目の前にあるのはシャルルドゴール空港行き。今思えば、フランス行きの飛行機はシャルルドゴール空港なのだけれど、そんな事は一切知らないし、ただただ目の前の飛行機の行き先が違うぞ! という事実。
オルリー空港とシャルルドゴール空港。どのくらい離れているのだろう。東京と福岡くらい離れていたら嫌だな。と思いつつも「ええい、どうせ陸続きだ、不安の9割は起こらない」と思って飛行機に飛び乗った。
機内でCAさんにどうしたら良いか聞いたけど、CAさん全員集合して考えてくれた答えは「分かりません」不安MAXだわ。
しかたないので空港に着いたら日本語の出来る人を探そうと決め、いざフランスに到着。税関を出た辺りで目の前に日本人がいる。しかもサハラマラソンに出るっぽい服装。声をかけてみたらそうで、同じホテルでした。「やっぱり不安の9割は起こらない」
というオチがあって、夜の砂丘で独り迷子になり一時はパニックになり心折れたのですが、不安の9割は起こらないと自分に言い聞かせていると、なんと目の前から選手が二人。 CP3で最後に残ったフランス人選手にばったりと遭遇したのだ。
助かった!

月明かり以外は真っ暗闇

独り迷子は精神的なダメージもきつかったが、強運ぶりも発揮してくれた。出来る出来る、僕は出来るとひたすら唱えながら黙々と歩き続ける。やがて次のCP4のレーザー光線が見えた。あ〜安心!

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CP4に無事に到着

ここで寝ている選手も多かったけど先に進む。

人生で一番美味しいコーヒー

CP5で、胸ポケットにインスタントコーヒーがあるのを発見(フランスのホテルでもらったやつ)なんという幸運。丁寧にお湯を沸かし入れたインスタントコーヒー。生涯のなかでこれほど美味しいコーヒーはなかった。噛みしめるように味わった。涙が出てきた。本当に美味しかった。

サハラマラソン

朝焼けだ。美しい! しかし・・・幻覚が出てきた。右に誰かがいるような気がして右向くも誰もいない。左に建物がある気がするけど左向くも何もない。これってやばく無いか?

サハラマラソン

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やばい感が出てる

それにしてもCP5〜CP6にかけてのコースは単調で精神的にかなりまいってた。幻覚も相変わらずだし。

ここまでか!

やるだけやった! ランニング未経験でよくここまで持ちこたえた。でももう無理っぽい。

ラクダを見て思った!

ラクダの歩きって頭が揺れないのよね。大型の4つ足動物は「側対歩」で歩きます。「側対歩」とは前足と後ろ足が同時に前、後ろと動く歩き方。この歩き方の利点は頭の上下動が少ないのです。

猫背かあ!

猫背は頭が揺れる。頭は重たいのでそれだけで体幹に負担がかかる。
そこで帽子とリュックを紐で結んで強制的に背筋が伸びるようにしたのだ。そして足元を踏みしめるようなフォームで歩き出した。

これは大正解だった!

しばらくすると面白いように身体が動きだした。これはいけるぞ! そう確信した。

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猫背は死ぬ!

人間が壊れるのは肉体 > 心 > 内臓の順番。

治るのも同じ順番です。僕もまったく同じ事が起こりました。
最初に足にマメが出来ました。歩くたびに激痛でした。肉体にも疲労が積み重なります。> 初日の砂丘超えで独り迷子になり、プチ心が折れ、歩いても歩いても景色が変わらない延々と続く砂丘に自分のやっている事に意味があるのかを見出せなくなり心がダメージを受けた。

(もっとも残酷な拷問とは、穴を掘らせ、掘った穴を今度は埋め戻し、また掘らせ、また埋めもどす。これをず〜〜っと繰り返させるそうだ。最後は精神が破壊されてしまうらしい。)

そして最後は食事を受け付けなくなって、幻覚まで出た。
肉体 > 心 > 内臓。見事に順番あってるし。そして猫背に気がつき、歩くフォームを修正し、歩き続けるとだんだんと体調が戻って来たのだ。そして心にも変化が現れ「行ける!」と思えるようになってきた。
内臓は相変わらずで食事は受け付けないけど、これも大丈夫になると信じれた。(3日後に回復した)信じる者は救われる。

CP6に到着。最後のCPだ。

日が出て暑くなる前にゴールにたどり着きたい。

サハラマラソン

CP6に着いた、長かった

サハラマラソン

井戸があった。深い、落ちたら助からんな。

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ゴールが見えてきた。あの山の麓。

しかしここからが長かった。進んでも進んでも距離が縮まらない。GPSで確認したら1kmくらいなんだけれどこれが永遠とも思えるくらい長い。

そしてゴール!

ついに人生初の80km オーバーナイトを走破。ご褒美に世界一うまいというコーラをもらう。冷えてないけど美味い。
サハラマラソン

(3級)骨盤力診断

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